これって商標侵害?よくある誤解10選【商標使用の注意点】

「商標登録さえしていれば安心」

「少し変えれば商標侵害にはならない」

そんな風に考えていませんか?

実は、商標使用の注意点を理解していないと、思わぬ商標トラブルに発展することがあります。

商標は、自社の商品やサービスを他社のものと区別するための重要な権利です。しかし、商標制度について正しく理解している方は意外と多くありません。

特に、インターネットやSNSが普及した現在では、企業だけでなく個人事業主やネットショップ運営者も商標トラブルに巻き込まれる可能性があります。

ここでは、相談でよく見かける 「商標侵害の事例につながりやすい誤解」10選 をまとめました。


1. 「登録していないから使っていい」

商標登録されていない場合でも、有名ブランドや周知の商標には保護が及びます。未登録だから安心という誤解は、商標違反リスクを高めます。

特に全国的に知られているブランドや長年使用されている名称については、商標法だけでなく不正競争防止法の問題になる場合もあります。

「登録されていないこと」と「自由に使えること」は必ずしも同じではありません。名称を使用する前には、他人がどのように使用しているかも確認しておくことが重要です。


2. 「少し変えれば大丈夫」

アルファベットを数字に変えるなど、デザインや表記を少し変えただけでは意味がありません。全体の印象が似ていれば商標侵害と判断された事例も多数あります

商標の判断では、文字を一部変更したかどうかだけではなく、需要者が見たときの印象や読み方、意味なども考慮されます。

例えば、似た読み方になる場合や、見た目が非常によく似ている場合には、侵害や類似商標の問題が生じる可能性があります。

そのため、「一文字変えたから大丈夫」という考え方は危険です。


3. 「カテゴリーが違うから安心」

商標は商品・サービスの区分ごとに登録されますが、有名ブランドは異なる分野でも広く保護されることがあります

確かに、商標権は登録された商品・サービスとの関係で効力が及びます。しかし、著名なブランドについては、全く別分野であっても混同が生じるおそれがあるとして問題になることがあります。

例えば、誰もが知る有名ブランド名を別の業種で使用した場合、利用者が関連会社や提携企業だと誤認する可能性があります。

区分だけを見て判断するのではなく、ブランドの知名度も考慮する必要があります。


4. 「説明に使うだけならOK」

「iPhone対応」「LINE風」など、他社の商標を説明に使う行為は注意が必要です。商標トラブルにつながる典型例のひとつです。

商品説明のために商標を使用すること自体が直ちに問題になるとは限りません。しかし、使用方法によっては、自社の商品やサービスが権利者と関係しているような印象を与える場合があります。

特に、商標を大きく表示したり、自社ブランドのように使用したりするとトラブルの原因になります。

説明目的であっても、表示方法には注意が必要です。


5. 「比較広告なら自由」

比較広告は一定条件で認められていますが、誤解を招く表現や他社ブランドを貶める内容は商標侵害事例になり得ます

比較広告は、消費者に有益な情報を提供する側面があります。しかし、比較の内容が客観的な事実に基づいていない場合や、競合他社の信用を不当に害するような表現を用いた場合には問題となる可能性があります。

他社商標を利用する際には、比較の目的や表現方法を慎重に検討する必要があります。


6. 「社内だけで使っているから大丈夫」

展示会資料、パンフレット、ホームページなどに商標を掲載した時点で「使用」とみなされます。社内利用のつもりでも商標違反になるケースがあるので注意。

例えば、営業担当者向けに作成した資料であっても、取引先に配布されれば外部への使用と評価される可能性があります。

また、展示会で配布するパンフレットやサンプル品も商標の使用に該当し得ます。

本人が「社内利用のつもりだった」と考えていても、実際の利用状況によって判断される点に注意が必要です。


7. 「SNSやネット上なら関係ない」

SNS投稿やネット広告での商標使用も商標法の対象です。オンラインでの商標使用の注意点を軽視すると、炎上やトラブルの事例が後を絶ちません。

近年では、ネットショップ、動画配信、SNS広告などが一般的になっています。

しかし、オンラインだから特別扱いされるわけではありません。

ハッシュタグや広告文、商品紹介ページなどで他人の商標を使用した結果、問題となるケースもあります。

ネット上であっても現実のビジネスと同様の注意が必要です。


8. 「代理店や委託先がやっているだけ」

代理店や製造委託先が商標侵害をしている場合、発注元企業が責任を問われた事例もあります。自社管理の重要性が高まっています。

例えば、広告制作会社が作成した広告や、販売代理店が使用した販促物で問題が生じることがあります。

その場合、「自分で作っていないから関係ない」とは言い切れません。

ブランド管理や広告管理の体制を整え、委託先任せにしないことが重要です。


9. 「海外の商標だから日本では自由」

日本で未登録の海外ブランドでも、有名な商標は不正競争防止法で保護される場合があります。海外ビジネスを展開する企業は特に要注意です。

海外で人気のブランドやサービス名を日本国内で利用した場合、思わぬトラブルになることがあります。

特にインターネットを通じて世界中の利用者がアクセスできる現在では、海外ブランドとの関係も無視できません。

海外で有名だからこそ、日本国内でも問題になるケースがあることを理解しておく必要があります。


10. 「商標登録したから何をしても安心」

商標登録はあくまでスタートライン。使用の仕方を誤れば商標トラブルに巻き込まれるリスクは残ります。

商標登録を受けたとしても、登録内容を超えた使用を行ったり、他人の権利との関係を無視したりすれば問題が生じる可能性があります。

また、登録後も適切に商標を使用し、自社ブランドを管理していくことが重要です。

商標登録はゴールではなく、ブランド戦略のスタートと考えるべきでしょう。


まとめ:商標侵害を避けるためには正しい「出願」と「使用」がセット

商標に関する誤解やトラブル事例は数多くあります。

特に、

  • 少し変えれば大丈夫
  • SNSなら関係ない
  • 登録していないから自由に使える

といった誤解は、実際の相談でもよく見られます。

商標権はブランドを守るための重要な権利ですが、その仕組みを正しく理解していないと、知らないうちに他人の権利を侵害してしまう可能性があります。

また、自社のブランドを守るためには、単に商標登録をするだけでなく、適切な使用方法を理解することも重要です。

「うちの使い方は大丈夫かな…」

「この名称で出願して問題ないだろうか」

と少しでも不安を感じたら、早めに確認しておくことをおすすめします。

正しい出願と適切な使用の両方を意識することが、商標トラブルを防ぐ第一歩になります。


当事務所では、

  • 商標出願のサポート
  • 出願前の事前調査
  • 登録後の正しい使用方法に関するアドバイス

を行っております。

安心してブランドを育てていくために、まずは 商標出願のご相談 からお気軽にお問い合わせください。