商標登録後に毎年お金はかかるの?更新制度を解説

「商標登録って、毎年お金がかかるんですか?」
「更新ってどういう仕組みですか?」

商標登録後の維持費については、意外と誤解が多い分野です。

結論から言うと、

商標は毎年の維持費は不要
ただし、10年ごとに更新手続が必要

です。

しかも更新時には、

  • 10年分を一括で納付する方法
  • 5年ごとに分割で納付する方法

の2つがあります。

この記事では、
特許庁の制度を踏まえて、
更新制度と費用の仕組みを具体的に解説します。


商標権の存続期間は原則10年

商標権の存続期間は、

登録日から10年

です(出願日ではありません)。

例えば、

  • 2025年4月1日登録
    → 2035年4月1日まで有効

となります。


毎年費用はかからない

特許(発明)の場合は、毎年の年金納付が必要ですが、
商標は制度が異なります。

商標は、

  • 登録時に登録料を納付
  • その後は10年間そのまま有効

という仕組みです。

つまり、

「毎年払わないと失効する」
という制度ではありません。


更新制度とは?

10年経過後は、

更新登録申請をすれば、さらに10年延長可能

です。

しかも、

  • 更新回数に制限はなし
  • 何度でも10年ずつ延長可能

つまり、理論上は半永久的に維持できます。


更新登録料はいくらかかる?

更新時には、区分数に応じて費用がかかります。

(※以下は執筆時点の法定額。改定される可能性があります。)

■ 10年一括納付の場合

1区分あたり 43,600円 × 区分数

例:
3区分登録の場合
43,600円 × 3区分 = 130,800円


■ 5年ごとの分割納付の場合

1区分あたり 22,800円 × 区分数

これを5年ごとに2回支払います。

つまり、

22,800円 × 2回 = 45,600円(1区分あたり)

→ 分割納付のほうが総額はやや高くなります。


一括納付と分割納付、どちらが多い?

実務上の体感としては、

ほぼ半々程度

です。

特に、

  • 個人事業主
  • 小規模事業者

では、分割納付を選ぶ方が比較的多い印象があります。

理由はシンプルです。

  • 一度に大きな金額を払わなくて済む
  • 事業継続の見通しが5年単位で立てやすい

一方で、

  • 長期的に使い続けることが確実
  • 区分数が多い

場合は、一括納付を選ぶケースが多いです。


更新を忘れたらどうなる?

更新手続をしなければ、

商標権は失効します。

ただし、

  • 存続期間満了後6か月以内であれば
  • 割増登録料を支払って更新可能

という救済制度があります。

それでも更新しなければ、

  • 商標権は完全に消滅
  • 第三者が出願可能

になります。

長年使ってきたブランドであっても、
更新を忘れれば保護はなくなります。


更新時に見直すべきポイント

更新は単なる費用支払いではありません。

① 使っていない区分はないか?

商標は、3年以上使用していないと取消審判の対象になります。

実際に使っていない区分を維持する意味があるのか、
検討するタイミングでもあります。

② 事業は拡大していないか?

新しいサービスを始めている場合、

  • 別途追加出願が必要なこともあります。

更新は、ブランド戦略の見直し時期でもあります。


実務的なまとめ

商標登録後、

  • 毎年の維持費は不要
  • 10年ごとに更新が必要
  • 更新費用は区分数に応じて発生
  • 分割納付も可能(総額はやや高い)

というのが制度の基本です。

商標は、
事業を続ける限り価値を持つ資産です。

更新制度を理解し、
計画的に維持していくことが重要です。


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