「まだ小さい事業だから、商標は後回しでいい」
「とりあえず使ってみて、売れたら考えよう」
そう思っていませんか?
商標は“取ったら安心”という話はよく聞きますが、
実はもっと重要なのは、
取らないと、何が起きるのか
です。
この記事では、これから商標を考える初心者の方にも、
一度出願したことがある方にも、
改めて知っておいてほしい「商標を取らないリスク」を解説します。
リスク① 他人に先に取られる(先願主義)
商標は原則として、
早い者勝ち(先願主義)
です。
つまり、
- あなたが先に使っていても
- 他人が先に出願すれば
権利はその人に発生します。
超初心者の方へ
「もう使っているから大丈夫」は通用しません。
例えば、
- 店名
- サービス名
- アプリ名
を数か月使っていたとしても、
他人が先に出願すれば、
あなたが使えなくなる可能性があります。
出願経験がある方へ
過去に出願した商標があっても、
- 別ブランド
- 新サービス
- 海外展開
- 別区分への拡張
については未対応、というケースは珍しくありません。
「一度出願した=安心」ではありません。
リスク② 突然、使用停止を求められる
商標を取っていない状態で事業を続けていると、
ある日突然、
「当社の登録商標を侵害しています」
という通知が届くことがあります。
これは珍しい話ではありません。
超初心者の方へ
- ロゴを作った
- 商品名をつけた
- サービスを始めた
その名前が既に登録されていた場合、
使い続けることができなくなる可能性があります。
ブランド変更は、
- 看板変更
- サイト修正
- 印刷物廃棄
- 顧客への説明
など、多大なコストを伴います。
出願経験がある方へ
登録済み商標があっても、
- 指定商品と実際の事業内容がズレている
- 区分外で展開している
- ロゴを大きく変更した
といった場合は、守れていないことがあります。
「登録証がある=全部守れている」ではありません。
リスク③ ブランドが“育った後”に奪われる
これは最も深刻なケースです。
- 数年かけて育てたブランド
- SNSフォロワーが増えた
- メディアに掲載された
そのタイミングで、他人に出願されるケースがあります。
商標は、
知名度が上がってから取ろうとすると、
逆にリスクが高くなります。
リスク④ 信用の積み上げが守れない
商標は単なる名前ではなく、
信用の受け皿
です。
商品やサービスが評価されると、
その信用は名前に蓄積します。
しかし商標登録していなければ、
- 模倣品
- 類似ブランド
- フリーライド(ただ乗り)
を止めにくくなります。
ブランドは守らなければ、
“共有資産”になってしまいます。
リスク⑤ 事業価値が下がる
出願経験がある方にとって重要なのはここです。
商標が未整備だと、
- 投資審査
- M&A
- 事業譲渡
の場面でマイナス評価になります。
実際に、
- 商標が他人名義だった
- 重要ブランドが未登録だった
- 更新が切れていた
という理由で、条件が悪化するケースはあります。
商標は、
事業のインフラ
です。
リスク⑥ 海外展開でトラブルになる
国内では問題なくても、
- 中国
- 米国
- 東南アジア
などでは、現地で先に取られるケースがあります。
海外は特に「先願主義」が強く、
現地代理出願ビジネスも存在します。
グローバル展開を少しでも考えているなら、
国内登録だけでは不十分な場合があります。
「まだ小さいから」は理由にならない
商標を取らない理由として多いのが、
- まだ売れていない
- 事業が安定していない
- とりあえず様子を見る
というものです。
しかし実際には、
小さいうちのほうが、安く、安全に守れる
のが商標です。
結論:商標を取らないリスクは“時間差で来る”
商標を取らないと、すぐ問題が起きるとは限りません。
しかし、
- 事業が軌道に乗った頃
- ブランドが育った頃
- 外部資金を入れる頃
に、リスクが顕在化します。
そしてその時には、
対応コストが大きくなっています。
初心者の方へ
商標は、
トラブルが起きてから考える制度ではありません。
名前を決めた段階で、
登録の可否を確認することが重要です。
出願経験がある方へ
既存の商標について、
- 守れている範囲は十分か
- 実際の使用内容と一致しているか
- 更新・区分設計は適切か
を一度見直す価値があります。
商標の取得・見直しをご検討の方へ
商標は、問題が起きてからでは対応が難しい権利です。
出願のタイミングや区分の選び方によって、守れる範囲や将来のリスクは大きく変わります。
当事務所では、
- 新規ブランドの商標出願
- 登録可能性の検討
- 既存商標の範囲・区分の見直し
- 更新を見据えた整理
まで対応しております。
具体的な出願や見直しをご検討の方は、当事務所までご連絡ください。
