SNSやネット広告に商標を使うときの注意点10選【商標侵害を防ぐために】

SNSやネット広告は、企業や個人にとって欠かせないマーケティング手段です。しかし、商標の使い方を誤ると、商標侵害や商標トラブルにつながる可能性があります。ここでは、特に注意すべき10のポイントを解説します。


1. 他社の商標をハッシュタグに使わない

InstagramやTwitterなどで「#iPhoneケース」「#LINE風」などのハッシュタグをつけることがあります。しかし、これは他社の商標を広告宣伝に利用しているとみなされる可能性があり、商標侵害リスクが非常に高い行為です。
特に営利目的の投稿では、ハッシュタグの使い方に十分注意しましょう。


2. 商品説明での他社商標の乱用に注意

「iPhone対応」「任天堂スイッチ対応」など、商品説明に他社の商標を入れるケースも多いですが、必要以上に強調すると商標権者からクレームを受けることがあります。
やむを得ず説明に用いる場合は、正しい表記(例:iPhoneはApple Inc.の商標です)を添えるなど、法的リスクを軽減する工夫が大切です。


3. 広告コピーに他社商標を入れない

Google広告やSNS広告の本文に他社のブランド名を入れると、広告審査に通らなかったり、商標権者から直接警告を受けることがあります。
「有名ブランド名を出した方がクリック率が上がる」と考えるのは危険です。広告コピーでは自社の独自表現を使いましょう。


4. 画像・動画内の商標にも要注意

商品写真やPR動画に他社のロゴや商標が映り込むと、それも「商標の使用」と判断される場合があります。
特にYouTube広告やSNSリール動画は拡散力が強いため、気づかないうちに大きなリスクを抱えることになりかねません。制作段階でチェック体制を整えることが必要です。


5. インフルエンサー・代理店の投稿も責任が及ぶ

SNS運用や広告配信を外注している場合でも、商標侵害があれば発注元の企業に責任が及ぶことがあります。
インフルエンサーや代理店任せにせず、投稿内容を確認できる体制を作っておくことがトラブル防止につながります。


6. 自社商標を略して使わない

商標登録したロゴやブランド名を、略称や省略形に変えて使い続けると、権利行使が難しくなる場合があります。
登録した形で一貫して使うことで、ブランドの信用を守り、商標権を確実に維持することができます。


7. ®・™マークを正しく使う

登録商標には「®」を、未登録や出願中の商標には「™」を付けるのが一般的です。
間違った表示は「誤解を与える表示」とみなされ、信用低下やクレームの原因になることがあります。自社ブランドの信頼性を高めるためにも、正しい表記を心がけましょう。


8. 他社の商標を比較広告に使う場合は慎重に

比較広告は一定の条件下で許されますが、競合他社の商標を誤解を招く形で使うと、侵害や不正競争と判断される可能性があります。
「正確で客観的なデータに基づいているか」「他社を誹謗中傷していないか」を必ず確認する必要があります。


9. キーワード広告での商標使用に注意

リスティング広告で他社商標を入札キーワードとして設定するのは、グレーゾーンの行為です。
実際に、商標権者から広告停止や損害賠償を求められた事例もあります。広告代理店任せにせず、法律面からも確認しておきましょう。


10. 海外ブランドの商標も勝手に使わない

日本で未登録の海外ブランドだからといって安心はできません。有名な海外ブランドは「不正競争防止法」で保護されている場合があり、日本国内でも商標トラブルになることがあります。
グローバル展開を視野に入れるなら、海外での商標出願も含めて検討することが重要です。


まとめ:SNS・ネット広告時代の商標使用はプロに相談を

SNSやネット広告は便利で即効性がありますが、その分、商標侵害リスクが高い領域です。
「少しのつもりでやったことが、大きなトラブルにつながる」ケースは後を絶ちません。

当事務所では、商標出願サポート を中心に、安心してブランドを活用できるように 正しい商標使用方法のアドバイス も行っています。
SNSや広告でのリスクが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。