商標登録と聞くと、ロゴやマークをイメージする人が多いかもしれません。
でも実は、文字だけでも商標として登録できる制度があるんです。それが「標準文字制度」です。
この記事では、「標準文字制度ってなに?」「どういうときに使うの?」「ロゴとの違いは?」といった疑問をわかりやすく解説していきます。
はじめて商標にふれる方でも、安心して読める内容になっています!
「標準文字制度」ってどんな制度?
商標(しょうひょう)というのは、商品やサービスの名前やロゴなど、他と区別するための「しるし」のことです。
「標準文字制度(ひょうじゅんもじせいど)」とは、その商標が文字だけでできているときに、特別な書き方やデザインをしなくても登録できる制度のことです。
たとえば「東京ディズニーランド」という名前だけを登録したいとき、特別なロゴや書体がなくても、特許庁が決めたフォント(文字の形)で登録ができるんです。
この制度は、1997年(平成9年)からスタートしました。
なぜこの制度があるの?
出願する人(出願人)にとってのメリット
- 特別なデザインを作らなくてもよい
- 手続きがかんたんになる
- 費用もおさえられる
特許庁にとってのメリット
- 書類の処理が早くできる
- 文字が見やすく、チェックしやすい
つまり、出す側も受け取る側もラクになる、便利な制度なんです。
標準文字で出願するにはどうすればいい?
願書(がんしょ)という書類に、「【標準文字】」と書いて、そのまま登録したい文字を記入します。
ただし、すべての商標が標準文字で出せるわけではありません。
以下のようなものは、標準文字では出せないとされています:
出せない商標の例 | 内容 |
---|---|
(1) 図形だけの商標 | 絵やロゴだけはNG |
(2) 文字+図形の商標 | ロゴ+文字の組み合わせもNG |
(3) 指定されていない文字を使っている | 変わったフォントや外国の特殊な文字 |
(4) 30文字を超える | スペースも文字数にカウント |
(5) 縦書きや2段以上の構成 | 一般的な横書き1段のみOK |
(6) 色がついている | 色を使うとNG |
(7) 一部だけ変わった形の文字 | たとえば「i」だけ特別な書体など |
(8) 草書や装飾文字など特殊すぎる書体 | 花文字や筆文字なども不可 |
(9) その他、文字がわかりにくいもの | ぱっと見て読めないもの |
実際に登録された有名な標準文字の例
実は、東京ディズニーランドなどの名前も標準文字で商標登録されています。
登録された商標:
- 東京ディズニーランド(登録5460985号)
- 東京ディズニーシー(登録5460986号)
- 東京ディズニーリゾート(登録5460987号)
これらはすべて2006年に出願され、2012年に登録されました。権利者はDisney Enterprises, Inc.(ディズニー・エンタープライゼズ・インク)です。
標準文字で商標登録したときの注意点
標準文字で商標登録すると、その「文字だけ」の権利が守られます。
でも、注意してほしいことがあります。
文字だけでは、ロゴや図形は守れない
たとえば、「ABC」という名前を標準文字で登録しても、「ABC」をロゴっぽいデザインで使っている場合、そのデザインまでは守られません。
だから、ロゴやマークとして使っているなら、図形商標としても登録するのが安心です。
他人のマネを防ぐには?
- 文字で登録すれば、同じ名前の使用を防げます。
- 図形でも登録すれば、似たようなロゴの使用も防げます。
つまり、両方登録することでより強い権利を持てるということです。
まとめ
「標準文字制度」は、文字だけで商標登録ができる便利な制度です。
メリット:
- 手続きがかんたん
- 登録が早い
- お金が少なくてすむ
でも、ロゴやデザインとして使うなら、図形商標の登録も忘れずに!
うまく使えば、自分のアイデアやビジネスをしっかり守ることができますよ!
あなたの「これって商標登録できるのかな?」という疑問、気軽に聞いてみませんか?
標準文字制度を使うべきか、図形商標と併用すべきかなど、専門的な判断はプロに任せるのが安心です。
わかりやすく、丁寧にご説明します!